相続放棄を行う場所についてのQ&A

文責:所長 弁護士 石井浩一

最終更新日:2021年11月09日

相続放棄を行う場所についてのQ&A

Q東京に住んでいるのですが、どこの裁判所で相続放棄をすればよいのですか?

A

 相続放棄の手続きは、被相続人の最後の住所地を管轄する裁判所で行います。

 ここでいう被相続人の最後の住所地とは、被相続人の住民票除票または戸籍の附票に記載された住所です。

 そのため、もし相続人の方が東京にお住まいでも、必ずしも東京の裁判所で相続放棄の手続きをすることができるとは限りません。

 被相続人の最後の住所地が東京以外であった場合には、その住所地を管轄する裁判所を調査し、当該裁判所で相続放棄の手続きをする必要があります。

Q東京に住んでいるのですが、他の相続人は東京以外の場所に住んでいます。 このような場合、どのようにして相続放棄をしたらよいでしょうか?

A

 相続放棄は、各相続人が単独で行うことができる手続きです。

 他の相続人の合意は必要ありません。

 そのため、他の相続人が東京以外の場所にお住まいでも、問題なく相続放棄の手続きを進めることができます。

 もっとも、相続放棄をすると、被相続人の負債は他の相続人に回ってしまうため、特段に事情がない場合は、予め連絡等をしておくとよいでしょう。

Q今は東京に住んでいるのですが、被相続人の相続財産である土地や建物が遠方にあります。このような場合でも相続放棄はできますか?

A

 結論から申し上げますと、相続放棄は問題なく行えます。

 実家が地方にある場合などは、相続財産となった実家の土地建物が遠方に存在するというケースもよくあります。

 相続放棄は、相続財産の場所に関わらず行うことができます。

 もっとも、相続放棄をした場合であっても、相続財産である土地建物(特に建物)の管理責任は残ることに注意する必要があります。

 管理責任を完全になくすためには、相続人全員が相続放棄をし、相続人不在の状態となったあとで、裁判所に対して相続財産管理人選任申立てを行う必要があります。

 相続財産管理人が選任されることで、相続人不在の相続財産は、相続財産管理人が管理することになります。

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